ますます便利に!浦和エリアの交通アクセス
江戸時代には中山道浦和宿の宿場町として、鉄道開通後も東京から東北や上越方面へ抜ける交通の要所に位置することで発展し続けてきた浦和市。なかでもJR宇都宮線やJR京浜東北線が乗り入れる「浦和」駅は、そんな旧県庁所在地の中心駅でもあった。
2001(平成13)年に大宮市、与野市と合併してさいたま市となった以降でも、埼玉県庁やさいたま市役所など、さいたま市の官庁街に隣接する歴史ある駅なのだが、かつては高架の貨物線に圧迫されるように地平ホームが所狭しと並ぶ駅であったため東西のアクセスの便が非常に悪く分断されるような形になってしまっていた。このため、ほとんどの利用客が官庁街や商業地区のある駅西口を利用し、駅東側には近隣型の商業地区と住宅地になっていたなど発展にバラつきが見られた。
そこで、さいたま市は「県都の玄関口」として、「浦和」駅とその周辺の再開発を行うことを決定。まず駅に関しては、土地の拡張と全面高架化工事が行われ、周囲の大小の商業、業務ビルにはさまれた手狭な土地を最大限に利用しつつ、コンパクトにホームを配置した高架駅となった。
加えて、高架化事業と並行して湘南新宿ラインのホームも新設。2013(平成25)年に「浦和」駅に停車するようになった。このため、今まで「赤羽」駅で乗り換える必要があった池袋や新宿方面へも直接行けるようになり、利便性も向上している。
また、ホームが新設されることで、「浦和」駅に停車する高崎線や宇都宮線の本数も増加。2015(平成27)年3月に上野東京ラインが開通し、かつて「上野」駅止まりとなっていた高崎線や宇都宮線が、「東京」駅を経由して東海道線に直通運転するようになった。その結果、横浜や川崎など神奈川方面へのアクセスも飛躍的に向上し、レジャーの幅も広がった。
鉄道だけでなく、駅東口の再開発により東口バスターミナルも整備され、浦和PARCOや中央図書館などの公共施設が入る駅前再開発ビルも誕生。同時に駅前交通広場や市営地下駐車場も整備された。
また「浦和」駅の東西を結ぶ、都市計画道路田島大牧線の拡張工事が進行中。完成すると、現在片側1車線ずつ2車線の道路が2車線ずつの4車線に増え、道路幅も約10mから25mへ拡張され、両側には4mの歩道も設置される予定になっているなど、道路環境の改善も。
このように要所として長年栄えてきた街は、交通インフラの整備によって更なる発展を遂げようとしているのだ。